BlackRock iShares 米国国債 20年超 ETF
私が購入しているETFの銘柄紹介です。内容はあくまで私見ですので、鵜呑みにされないように。投資は自己責任ですよ!
東証で購入できる米国長期国債ETF
ニューヨーク証券取引所に上場されている、ティッカーシンボルTLTという、米国超長期国債ETFをひたすら購入するETFです。米国超長期国債の現時点での利回りは2.3%程度。
日本につい昨年2020年10月に新規上場された、TLTの東証上場版ETFです。米国長期国債と言えば、2021年に入ってから一貫して利回り上昇(=価格低下)を続けている、一見すると今買うのは超意味不明な銘柄ですが・・・米国長期国債の購入目的は利回り、もしくは短期的な価格変動ではありません。
歴史的には強力な株式との逆相関商品
リーマンショックが発生した2008年、人々は安全資産を求めて米国債の購入に殺到しました。その結果起きたことは、株価指数の最大ドローダウン50%以上に対して、TLTは20%以上の価格上昇というものです。これにより、当時TLTをポートフォリオに含めていた人の資産は、株価の下落による損失をTLTがかなり相殺してくれたものと思います。
レイ・ダリオ流超安全?ポートフォリオが最悪年パフォーマンス-3.66%で済んでいるのも、これの効果のおかげですね。
社債ETFや社債等を含む債券ETFは株価の下落に伴いある程度下落してしまうのですが、米国債は特別扱い、他のあらゆる危険な商品に比べれば相対的には安全な資産として、このような価格上昇を示してしまう商品なのです。
ここで重要なのは「相対的に安全である」ということ。絶対安全である必要はないですし、そんなものはこの世のどこにもありません。当時同じように世界中の多くの商品より相対的に安全な資産だと考えられていた円が世界中で買われまくって、その結果1ドル78円前後という強烈な円高を迎えたことを覚えている方も多いかと思います。当時別に日本円が絶対に安全だったわけではありませんが、世界中で「他に比べたらまだマシ」という考え方が一般的だったため、そのような結果になったようです。あのような現象で「パニックの買い」が米国債に殺到したであろうことは、想像に難くありません。
なおTLTは、2019・2020年の両年で年次リターン15%前後という高いパフォーマンスを示しています。これは、長期金利の継続的な低下により債券価格が上昇したことが原因です。国債は期間が長いものほど長期金利の影響による価格の変動幅が大きくなるため、TLTは国債のくせに株式指数レベルの価格変動幅を持っています。
将来の暴落時においても、同じような機能を果たすことを期待して、一種の保険的な位置づけで購入するのがTLTという商品なのですね。
最近の状況の変化について
米国10年国債金利は昨年末0.5%程度という歴史的超低金利となっていたため、当時はそれ以上の金利の下落余地が無く、ゆえに債券価格も高すぎる状態でした。これは値上がりの可能性はほぼ0、だが何かことがあれば値下がりするしかないという、歪んだ状態の商品です。(ちなみに現在の日本国債はこの状態です。正直いまこれを買う意味はない…)当時は購入する魅力の全くない商品だったのですが、ここ最近の金利上昇で少しずつ魅力が回復してきつつあります。米国10年国債金利は現在約1.6%、巷の予想では最悪3%程度まで下落する、だが本当のところはわからない…とのことなので、そろそろ積立投資を開始するには良いタイミングになったのではないかな?と感じます。
(去年のうちに信用売りしとけばよかった・・・)