eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

2020年8月27日 オフ 投稿者: おじさんプログラマ

私が一時期購入していた投資信託の銘柄紹介です。内容はあくまで私見ですので、鵜呑みにされないように。投資は自己責任ですよ!
(2021/7/6)購入理由の説明を変更しました。勉強が進んだなあ・・・


債券投資とは、何でしょうか?

SBI証券:eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

債券投資というのは、各国の国債や公社債を買って、その債券の利子を得るのが基本路線ですよね。ですが、それだけではない面があるのが、債券市場の面白いところ。

国債の利率のベースになる各国の政策金利が経済状況に応じて上がったり下がったりすることがあるのは、皆様ご存じかと思いますが、この債券、政策金利の上下に応じて値下がり/値上がりするということはご存じでしょうか?


債券市場で行われていること

(話を単純化するため)仮に年利1万円、売り出し価格100万円の10年国債があったとして、購入2年目の価値を考えます。ここで売買するのは「9年後に110万円受け取れる権利」です。デフォルトリスクや資金拘束期間等を考慮して、たとえば101万円前後でこれを買う人がいるでしょう。この満期前の債券を売り買いするのが、債券市場です。


債券の価格変動の仕組み

前章の続きとして、2年目に政策金利の変更があり、年利2万円、売り出し価格100万円の10年国債が新たに売り出されたとします。この国債を購入するだけでだれでも簡単に「10年後に120万円受け取れる権利」を手に入れることができます。
さてこの時、前章の「9年後に110万円受け取れる権利」はいくらで売れるでしょうか。おそらく90万円前後にしないと買い手は現れないと思います。これが債券の値下がり発生の仕組みです。

金利と債券価格の関係は、こうなります。
● 金利が上がれば債券は値下がり
● 金利が下がれば債券は値上がり


債券市場の現状

皆さんもご存じの通り、日本、そして欧州先進国の多くは長らくゼロ金利政策を続けています。つまり利下げの余地がない。ということはこれらの国では債券の値上がり余地がないと言えるかと思います。

そもそも債券の利率も低くて値上がり余地もない。なので債券へのインデックス投資は上値余地が余りないという状態に陥っているわけです。

ここまで読んでいただけた方はお分かりの通り、日欧の債券への投資は全くお勧めしません。
一方で「では新興国の債券は?」となりますが、新興国の債券はしょっちゅうデフォルト騒ぎを起こして暴落をしている危険なアセットですので、こちらもおすすめできるようなものではないですね。そうなると、債券として購入の選択肢に上ってくるのは、いまのところ唯一、米国債のみになるでしょうか?先進国債券インデックスファンドは、そのかなりの部分が米国債で構成されているので(買ってもしょうがない商品も含まれていますが)そこそこには買う意味のある商品なのではないかと思います。


なぜそれを買うの?

債券というものは、株式に比べると期待リターンが圧倒的に低く、単体ではあまり旨味を感じないものです。しかしこれを株式インデックスへの投資と併用したときに、債券の価値は急激に上昇します。なぜかというと、市場が危機的状態に陥って株価が大暴落した際に債券価格は暴騰することが多いという性質があるためです。

なぜ経済危機で債券価格が上がるのかというと、各国中央銀行が経済危機を乗り切るために行う金融緩和が原因です。危機が起こると、まず各国中央銀行は企業の経済活動=市民の生活を救うため、市場への莫大な資金供給と短期金利の利下げを並行して行います。そうすると前述の通り金利低下=債券価格上昇ですから、既存の債券価格が暴騰を始めるというわけです。事実2008年のリーマンショックの際には、S&P500指数が50%の下落をしているさなか、米国超長期債は20%以上の暴騰をしていました。また、コロナショックを境に同様の現象となっていることは、皆さんご存じのとおりです。

株式インデックス投信への投資とだいたい同じ額だけ債券インデックス投信を買っておくことで、万が一・・・いや10年に1度くらいの頻度で訪れる経済危機においても、投資した資産をあまり減らさずにやり過ごすことができるようになります。また株価の暴落の後には金融相場による株価の超回復のフェーズが待っており(コロナショック後の相場推移でこれを実感している人も多いですよね)、株価暴落・債券暴騰直後に債券インデックス投信で増えた資産を価格の下がった株式インデックス投信にリバランスすることで、超回復のフェーズで大儲けすることが可能になるのです。


・・・というわけで、株式投資との併用での債券投資は決して消極的な意味を持つものではありません。むしろ株式暴落時にも損害を出さず、むしろ大儲けしてやろうという意欲に満ちた、積極的な投資戦略なのです。

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