未来の原子力発電

2021年3月19日 オフ 投稿者: おじさんプログラマ
資源エネルギー庁 ホームページより

10年前の東日本大震災・福島原発爆発事故は、日本と世界のすべての人にとっての「原子力発電に対するトラウマ」となっています。そのため日本では未だに原子力発電の本格的な再開ができず、その結果未だにしばしば電力供給に支障をきたすなどの問題を起こしています。

あの事故以降、日本国内での電源開発は原子力以外の再生可能エネルギーばかりが話題になりますが、そちらの方面ではなかなか安定した電力供給を可能とする発電方法は見つからず、困った状況が続いていますよね。

ところであれから10年、原子力発電の安全性確保技術は素晴らしく発展しており、新造発電所については「物理的に二度と同じような事故は起こりえない」を可能にしつつあるのでした。皆さん、知ってました?どういうことかというと、当時の爆発事故の直接原因は原子炉の冷却機構の喪失(→燃料の臨界状態が継続してしまう)だったわけですが、最新の原子炉では「電源を切れば勝手に冷えるので、冷却機構が必要ない」という、コロンブスの卵みたいな話です。

SMR(小型モジュール炉)は従来型の原子炉に比べてはるかに小さな原子炉で、ざっくりいうとプレハブの一軒家に毛が生えた程度の規模で建築できる、という代物です。炉が小さいので、炉の体積に対する表面積が十分に大きく、そのため循環式の冷却をしなくても自然冷却できるという、超安全な原子炉になります。安全性もありますが、小さいので持ち運びがしやすく、例えば山奥の村に原子炉を一基だけ建てることにより長距離送電設備無しで電力供給できる、みたいな便利な使い方ができるメリットもあります。また万が一戦争などの有事があったとしても、これまでの原子炉のように敵国の攻撃目標になるようなことが無い(爆破しても大した被害にならない)・・・みたいな利点もあります。

場所を選ばず必要な場所にバラバラと建てる、元々安全なので今までのようなレベルでの管理も必要ない、なんてことができるとなると、資源小国の日本でも電源の安定供給に強力に資することになりそうです。電気自動車への受電スタンドの後ろで原子炉が動いている…みたいな未来も見えます。


私はこれまで、核分裂原子炉は福島事故を経て一切使えない状況に陥り、核融合の実用化を待つしかないのではと思っていたのですが、そんなこともないようでした。人類の進歩は素晴らしいですね。

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